Waiting Time with a Tailor

 

“The shirts you’d tailored
make him unbeatable.
The laundry repeatedly puts a note
that they got worn out.
He pretends not to see
and keeps treasuring them
as his precious wings.”

When I finished the last word with thanks,
he came out of the fitting room.
Next voyage with new shirts.

 

 

Beautiful Birds

風を受けて、桜の花びらが転がる。
仕事のアイデアも、イヤフォンから流れる音楽も、さっきから同じものが頭の中で転がる。
目の前の現実と、直近でかかずらっていること、音楽の歌詞、感情が溶けあう。

Do you remember when we were two beautiful birds?
We would light up the sky when we’d fly.
私たちが2羽の美しい鳥だった頃を覚えていますか。
私たちが飛ぶと、空が明るくなったものでしたね。

現実や仕事とリンクする曲を見つける。
ある表現が頭の中に転がり込む。
転がり込みさえすれば、あとはしばらく流しておけばよい。
イントロで思索のスイッチが入るようになる。

言葉を聴いているようで聴いていない。
聴いていないようで聴いている。
感傷的なようで冷めている。
どこでもない場所で待つ。
言葉を足場にして、言葉にならないものを見ようとする。
ひとりだけど、ひとりじゃない気がする。

最近はもっぱら、Passengerの美しい鳥が私の周りを飛んでいる。
Do you remember when ~ の疑問文から始まるのが好みだ。
(私は英語が言語学的に好きで、その中でも疑問文と仮定法が好きなのだ)。
頭の中で転がる歌詞が、仕事のアイデアと合流して、きらめくのを待つ。

私は数年後、この曲を聴きながら、あの頃のことを覚えていますか、と自分に尋ねるんだろうと思う。

外にひらく

「胆のう炎ですね」

2020年の夏、食事をうまく消化できなくなった。
もともと胃が弱く、逆流性食道炎になったこともあったので、「またかー」と思っていた。
だけど、胃薬を飲んでも効かない。
下着や服の締めつけを緩めてもだめ。
出かけている最中にお腹が痛くなったり、夜中に何度も吐いたりした。
日中に倒れ始めて、ようやく病院に行った。

検査で、食後はしぼんでいるはずの胆のうがパンパンのままだとわかった。
細かい胆石が詰まっていて、胆汁が出ず、食べたものが消化されないまま胃に残っていた。
痛み止めの薬が効かない場合、手術だと言われた。

好きなものを食べられなくなり、コロナ流行初期の緊張感もあり、元気がなくなっていった。
できないことばかりで落ち込んだ。
手術は回避したものの、胆石を薬で溶かそうと試みていたため、ただ時間が過ぎるのを待っているような日々だった。

その冬に始めたのが、週報だ。
自分が、自分のささやかな前進を称えるための記録。
https://junkotakijiri.com/?p=3722

In academia your to-do list is a never ending cycle and at times it’s difficult to judge progress. Writing a paragraph is progress. Reading 10 pages is progress. Taking a break is progress. Surviving is progress.

私は英語の文学作品をもっと読めるようになりたくて、勉強を続けている。
始まりに据えたこの言葉に、幾度となく救われた。
英単語は毎日覚えたけど、それしかやれない日があった。
1ページどころか、数行しか文章を読めない日があった。
寝ていることしかできない日があった。
毎週月曜日に、1週間を振り返るブログを書き、投稿したが、以前のようにのびのび楽しく書くことはできなくなっていた。

胆石が溶ける兆しを見せた2021年の秋。
ある会社に関わるようになった。
体調が不安定なのと、責任を負いたくなかったので、対価はもらわなかった。

1年経った、2022年の冬。
いろいろなことが重なって、個人事業主として対価をもらう覚悟を決めた。
屋号を決めて、開業届を出し、事業用口座も作った。

たった3カ月の間にも多くの変化があった。
約2年前の自分からは、想像できなかった場所にいる。
出会った人と、一緒に仕事をしていたら、思いのほか遠くまで来れてしまった。

今は、箇条書きの週報よりも、長い文章を楽しく気ままに書きたい。
夫が「閉じこもってたら、それ以上広がらない」と言っていた。
今度はこの言葉を始まりに据えて歩いていきたい。

 

 

3/14-20 振り返りとお気に入り

 

■今週の振り返り

読んだもの
ジョニー・オデル『何もしない』
朝日新聞出版『MY LIFE ノート』
コナン・ドイル『シャーロック・ホームズの冒険』

生活
週末に仕事をしていた疲れを、平日に持ち越してしまった。だるーんとした日々。ひたすら頭を使ったあとの空白のようで、悪くない。お役所の用事を済ませたり、刺繍をしたり、本棚を掃除したり、映画を観たりして過ごした。

 

■今週のお気に入り

家事: グラスの漂白
しつこい水垢が気になっていた、デュラレックスのグラス。クエン酸で洗っても消えなくて、諦めていたところ、マグカップみたいに漂白すればよいと知った。たいへんピカピカになって大満足。

食べもの: 明治 ザ・チョコレート ベネズエラ カカオ70%
パッケージに書いてあった、「アーモンドのような香ばしさ」、私にもわかった。

詩: William Carlos Williams, This Is Just To Say
映画「パターソン」で出てきた詩。見つけた日の夜、私も真似して詩作してみた。

I have eaten
the plums
that were in
the icebox

and which
you were probably
saving
for breakfast

Forgive me
they were delicious
so sweet
and so cold

 

 

3/7-13 振り返りとお気に入り

■今週の振り返り

読んだもの
ジョシュ・カウフマン『Personal MBA』
内田樹『寝ながら学べる構造主義』
筒井康隆『文学部唯野教授』
ビョンチョル・ハン『疲労社会』
内田樹・岡田斗司夫『評価と贈与の経済学』
丸山俊一『14歳からの個人主義』

生活
何に、どういう構造で疲れるのか、というのを理解した週だった。苦手なものを把握できたので、これからはできるだけ避けて生きたい。
人と会う予定ばかりでばたばたしていた。薬が合うかどうかに緊張感があり、あまり気を抜けない。

 

■今週のお気に入り

音楽: 椿屋四重奏、マテリアル
右脳スイッチが入る曲。