光について

仕事の一環で、マーケティングの勉強をしている。
今準備しているものは実店舗や販売チャネルを作らない、インターネットで完結するものなので、どうしても「SNSをどう活用するか」に頭が行く。

それでいろいろな記事を読んでいる。
流れが速い分野なので、本だと情報が古い。

心構えやテクニック、うまくいった方法の実例を読む。
すごいなーと思う。
バズやフォロワー数アップのための地道な蓄積を、私は否定しない。

が、そういった情報に触れていると、元気がなくなる。
がんばれば伝わる、伝えようとすると伝わる、という前提が、たぶん私と違う。
基本は伝わらない、伝わったらラッキー、と思っているから。
伝えようとしていないというわけじゃなくて、構造的に、言葉の意味は人によって変わるので、メッセージはズレる。
伝えようと思うことは、伝わったとしても、ズレる。

そこに対して、これまでは悲観というか虚無感が強かった。
それが、この数か月、身近な人とコミュニケーションを重ねていくにつれ、「1回で伝えようとするのではなく、何度も、多面的に伝えようとすること」や、「相手の言葉の定義を確認して、すりあわせていくこと」を学んだ。
見える範囲の、近しい人との、時間をかけた関係作りには、希望を感じている。
マスに対して話せなくても、身近な人になら話せる。

考えていて元気が湧くような、手作りの方法を見出せたらいいな。

 

何もかも全て受け止められるなら 何を見ていられた?
誰もがうかれて理解りあったつもりなら それだけでいられた
いつもいつも

光にさらされてゆくこの世界の中 君を見ていられた
涙が流れて聞こえなかったとしても 空に浮かべていこう
いつもいつも
僕らはまだここにあるさ

 

 

ほたるいか

ほたるいかミュージアムに行った
ほたるいかの発光ライブショーを見た
ほたるいかが光る仕組みを学んだ
ほたるいか漁の網の形を知った
ほたるいかの俳句を読んだ

ほたるいか漁のビデオを観た
ほたるいかの季節には
ほたるいかミュージアムのスタッフさんが
ほたるいかの発光ライブショーのために毎朝仕入れに行くらしい

ほたるいかの刺身を食べた
ほたるいかの天ぷらを食べた
ほたるいかの酢味噌和えを食べた
ほたるいかの沖漬けを食べた
ほたるいかの素干しを試食して
ほたるいかの素干し(15尾×2)を買った

ほたるいかと夫のツーショットを撮った
冷たい水の中で泳ぐほたるいかに触った

ほたるいかの身投げの写真を見た

 

ten-four

 

世界と自分のあいだに
無線担当者がいるみたい

好きなものを尋ねられて
なんだったっけと
立ち止まる

好きなものは
あるんだ
あるんだけど
「好き」に
つながる
までに
時間が
かかる

1日や1週間が終わる時
俯瞰して再生したり
相手の笑顔に気づいたりして
楽しかったんだと知る

思い出したことを話したあと
相手がつまらなそうにした時に
そうだそうだ、あの出来事には
「嫌」ってラベルがつけてあったんだと思い出す

喜怒哀楽好嫌がないわけじゃない
けど
あいだにひとりいるんだ

好きなものを書けばいいとか
撮ればいいとかいう人の話を聞くたびに
よくわからないと思っていた
遠くにある感じがしていた

好きなものは
あるんだ
あるんだけど
「好き」に
つながる
までに
時間が
かかる

時間を
かければ
いいんだ

昨日飲んだビールは
あんまり好きじゃなかったと
今気づいた

 

Waiting Time with a Tailor

 

“The shirts you’d tailored
make him unbeatable.
The laundry repeatedly puts a note
that they got worn out.
He pretends not to see
and keeps treasuring them
as his precious wings.”

When I finished the last word with thanks,
he came out of the fitting room.
Next voyage with new shirts.

 

 

Beautiful Birds

風を受けて、桜の花びらが転がる。
仕事のアイデアも、イヤフォンから流れる音楽も、さっきから同じものが頭の中で転がる。
目の前の現実と、直近でかかずらっていること、音楽の歌詞、感情が溶けあう。

Do you remember when we were two beautiful birds?
We would light up the sky when we’d fly.
私たちが2羽の美しい鳥だった頃を覚えていますか。
私たちが飛ぶと、空が明るくなったものでしたね。

現実や仕事とリンクする曲を見つける。
ある表現が頭の中に転がり込む。
転がり込みさえすれば、あとはしばらく流しておけばよい。
イントロで思索のスイッチが入るようになる。

言葉を聴いているようで聴いていない。
聴いていないようで聴いている。
感傷的なようで冷めている。
どこでもない場所で待つ。
言葉を足場にして、言葉にならないものを見ようとする。
ひとりだけど、ひとりじゃない気がする。

最近はもっぱら、Passengerの美しい鳥が私の周りを飛んでいる。
Do you remember when ~ の疑問文から始まるのが好みだ。
(私は英語が言語学的に好きで、その中でも疑問文と仮定法が好きなのだ)。
頭の中で転がる歌詞が、仕事のアイデアと合流して、きらめくのを待つ。

私は数年後、この曲を聴きながら、あの頃のことを覚えていますか、と自分に尋ねるんだろうと思う。