黒猫/モルグ街の殺人

Date
3月, 09, 2018

著者:ポー
訳者:小川高義
出版社:光文社

発行日:2006年10月20日
形態:文庫

 

読後感がよい。 作品の順番がすき。

大学時代、”A Dab of Dickens & A Touch of Twain”で、英米の作家に関するエピソードを読んだ。 そのときに一番印象的だったのが、ポーの人生。幼少期の話。 おかげで、米文学史のテスト、ポーに関する部分は満点だった。 そのくせ詩しか知らなかったので、短編を読んでみた。

黒猫、心臓、アモンティリャード、怖かった。 気味悪くて、一編ごとに本を閉じる。 話をまるごと信じはしないし、夜眠れなくなるほどの恐怖ではないけど、 「発表当初は、凄まじいインパクトだったんだろうな」と作品に距離をとりながら、 頭にぐにゃぐにゃ入ってきたイメージを整理する。 血の赤と闇の黒をやたら処理した。

怖かったから、それが最後の話まで続くんだと思ってた。

だから「モルグ街の殺人」は驚いた。 殺人自体はグロテスク。だけど終わり方が。あら。すとん。

ポーに安堵感をもらえるなんて思わなかった。

「にゃーお」