コピペ弁当の再定義

木曜日、弁当を作った。ゆかりごはん、とり天、玉子焼き、にんじんの明太きんぴら、蒸しさやえんどう。
金曜日、弁当を作った。ゆかりごはん、とり天、玉子焼き、にんじんの明太きんぴら、蒸しさやえんどう。

多めに仕込んでいたから、2日連続で同じ弁当になるのはわかっていた。全部おいしいからいいじゃんと思いつつ、金曜日は玉子焼きを2個から4個に増やし、申し訳なさを隠すように弁当箱に詰めた。

夫が横で紅茶を淹れていた。ふろしきで包む前に「昨日と同じでごめんね」と言うと、すぐに「とり天弁当2(ツー)やな!」と返してきた。

ツー。発売を楽しみにしているシリーズもののイメージ。ポケモンのミュウとミュウツーのように、進化を重ねているもののイメージ。瞬時の、簡潔な名づけに、「ぼくは食べるのを楽しみにしてる、玉子焼き倍量で進化したとり天弁当を!!」というメッセージを受け取った。完全な意図ではないかもしれないが、日々のやりとりの中で、虎視眈々とセンスをチューニングしている人だ。半分くらいは狙っている。

コピペ弁当のリネームで私の罪悪感を消し去り、知的好奇心まで刺激した彼は、好物のとり天を携えて颯爽と出かけていった。

 

 

「月には住みたくないですね」

I love you、「月がきれいですね」ではなくて。出所が不確かな言葉より、ぐっと確かな言葉。

 

セサミストリートのアーニーが歌う、この曲が好きだ。

 

要約すると、「月には行ってみたいが、地球に大切な人がいるので住みたくはない。行くとしてもある日の午後いっぱいくらい。行っても『帰りたい』と星に願うことになる。海中にも行ってみたいが、友だちが魚じゃやることもないし、牡蠣やアサリは本当の家族じゃないので住みたくはない。ジャングルに行ったり、昔の恐竜に会ったりもしたいが、やっぱりずっと住むのは嫌。大好きな人や場所が恋しくなるから」という歌。

なぜか笑ってしまう。止まらない。何回でも動画を観ていられる。

夫が部屋に大きなディスプレイをもっているので、たまに作業中の膝を占拠して、大画面で繰り返し楽しむ。笑いで震える私を乗せて、彼も笑う。

 

昨日、「なんで笑っちゃうんだろう?」を夕食の話題にした。自分じゃわかんないから、考える視点をちょうだい。

「あのキャラクターがかわいいからじゃない?」
いや、リラックマでもドラえもんでも笑うと思う。アーニーよりエルモのほうが好きだし、「かわいいから」はちょっと違う。

「歌詞かな?」
それはあるね。行きたいって言ったあと、早々に住めない理由を説明してるのがいい。海とジャングルに展開するところも。しっとりとした曲とあの歌詞の組み合わせが好きだな。

「ギャップが好きってこと?」
そうかも! 落ち着いた曲調と、自由に想像をふくらませる歌詞。サビ前までの安定感と、サビのややきつそうな高音。歌手のChris Dupontさんがおしゃれにカバーしてて、好きなんだけど、それを聴いて「笑っちゃう」ことはないんだよね。終始大人だからかな。大人な、リアリストの気持ちを、子どものようなつたなさや目の付け所や見た目(パペット)で表現してるところがいいのかも。年齢不詳のキャラクターの、どっちにも偏らない感じが好きなのかもしれない。

 

(編集すればあっという間だが、実際は脱線しながら延々と話した)

 

てか、ここまで話してて何だけど、そういえばこれラブソングなんだよね。大切な人と一緒にいたいっていうね。私こんなに笑ってるけど。

「月がきれいですね」もいいけどさ、「月には住みたくないですね」って言い合うのもいいよね。

ちょうど明日は満月だから、「せーの」で棒読みして笑って、それから一緒に動画観ようぜ。

 

 

言葉の遺伝子配列

コピー&ペーストで確認可。

 

11000001110010 11000001100011 11000001001111 11000010001010 1000111111010100 11000001011001 11000001101000 11000000000001 110000 11000001101000 110001 11000001110000 11000001001011 11000010001010 11000001001100 100111000100110 11000010010011 11000001100000 1010 11000001011111 11000001100000 11000001010011 11000010001100 11000001100000 11000001010001 11000001101110 110010110000111 111101011100000 11000001101011 1010 11000001010011 11000010010011 11000001101010 11000001101011 1001011010100000 11000010001100 11000001100110 11000001000100 11000010001011 11000001101010 11000010010011 11000001100110 1010 1010 11000001011001 11000001001101 11000001111110 11000000000000 11000010000010 1010 110010100111001 1010 1000100001001100 1010 11000010000010 1010 11000011101011 11000011111100 11000011101011 11000001101011 110111100001111 11000010001100 11000001011010 110000 11000001101000 110001 1010 1010 11000001011100 11000010010011 11000001110110 110000 11000001101000 110001 11000001101011 11000001101010 11000010001011 11000001101110 11000001001100 101101011001100 11000001100000 11000010001111 11000001101000 1010 11000011001110 11000011111100 11000011001000 11000001101000 11000001001000 11000010010011 11000001110100 11000001100100 11000001101011 110001000111011 11000001100011 11000001100110 11000010000010 1010 11000001011101 11000001101110 1100100 1101001 1100111 1101001 1110100 11000000000001 110001100000111 11000001101011 11000010000010 111110100011001 11000001101011 11000010000010 1001111011010010 1001001001011011 11000001101110 11000001000010 11000001101000 11000001101011 11000010000010 1010 11000010100010 11000011101011 11000011010101 11000010100001 11000011011001 11000011000011 11000011001000 11000001001100 1001011010100000 11000010001100 11000001100110 11000001000100 11000010001011 1010 11000001110010 11000001100011 11000001001111 11000010001010 1000111111010100 11000001011001 11000001101000 11000000000001 110010101110000 101101101010111 11000001101011 11000001101010 11000010001011 11000010001000

 

ひっくり返すと、0と1ばかりが並んだ
ただこれだけの文章に
こんなに隠れているなんて

すきま も



ルールに漏れず0と1

ぜんぶ0と1になるのが嫌だわと
ノートとえんぴつに戻っても
そのdigit、指にも紙にも黒鉛のあとにも
アルファベットが隠れている
ひっくり返すと、数字になるよ

 

 

参考
ASCIIコード変換機 *2進数を使用
http://web-apps.nbookmark.com/ascii-converter/

 

 

ゴンドラの唄

いのち短し 恋せよ乙女  
紅き唇 あせぬ間に  
熱き血潮の 冷えぬ間に  
明日の月日は ないものを 

 

町の病院に寄ってからジムに行こうと、薄く化粧をした。ジムに直行する日は、どうせ汗だくになるから日焼け止めだけ。町に出る日は気分に合わせて遊ぶ。

この日はファンデーションを塗る気にならなくて、ツヤの出る下地と部分的なコンシーラーだけにした。パールの入った粉をはたき、眉を描き、アイラインと口紅をひいた。チークを乗せなくても、頬にほのかな赤みがある。パールのおかげで悪くない。自分に向ける言葉としては珍しく、いいじゃんと思った。

 

いのち短し 恋せよ乙女
いざ手をとりて かの舟に
いざ燃ゆる頬を 君が頬に
ここには誰も 来ぬものを

 

最近、マシンの種類と回数を増やしたから、筋トレにはみっちり1時間かかる。それから30分ジョギングをして、風呂に入って帰る。いつものように、まずシャワーを浴びた。湯船に腰まで浸かって300秒、肩まで浸かって300秒、歌うように数えて上がった(自律神経にいい入り方らしい)。

体を拭いて下着をつけ、水を飲んでいたら、知らないおばさまに声をかけられた。

「サウナ入ってたん?」

プールで泳いでサウナコースの人だろう。私のトレーニング動線では見かけない。筋トレをして、走って、さっと行水しただけですよと答えると、

「そうなん!? 体じゅうが真っ赤できれいよ。」

と言われた。体をまじまじと見られる。

「若いっていいね。年とるとそうもいかんでね。今から運動習慣があるのはええことやわ。まあほんとにきれい。」

血のめぐりって美しさと結びつくの!? そこに目をつける人が現れたことも、たいそう褒めてくれることも新鮮で、うれしかった。

パウダールームに行き、鏡に体を映した。なるほど、言われてみればまんべんなく赤い。1年前は運動などしてなくて、じんましんやひっかき傷に悩み、全身を見ることもなかった。自分に向ける言葉としては珍しく、きれいだと思った。

 

いのち短し 恋せよ乙女
黒髪の色 あせぬ間に
心のほのお 消えぬ間に
今日はふたたび 来ぬものを

 

 

 

 

 

黄昏カフェ

誘いを受けて、茶会に行ってきた。主催は、会ったことはないけど名前は知っていた人。やっていることはよくわからないけど、何か実験をしている人。会って話をしたら、互いの印象が似ていて笑った。

街の片隅の純喫茶に集まった、(ダンサー)(ライター)(出版社の人)(ピアニスト)(建築家)(舞台衣装家)(印刷業の人)(建築家)。初対面同士が多い。かっこ書きなのは、そろって自己紹介しにくい人たちだったからだ。便宜上の肩書きはもっているが、一般的なイメージとは使い方が少し違っている。「わかりやすい言葉でお伝え出来ないのはたいへん心苦しく、親切でないこともわかっているが、正対しようとするとどうしても都度、場や人に合わせて言葉を探すところから始めないといけない」感じ。相手に向き合おうとするがゆえに、自問から言葉の生成を始める。

自己紹介しにくい人の自己紹介は、場のスイッチがうまく入ると愉しい。場に合わなければ、最後まで微妙な空気が流れ続けるので怖い。博打みたい。今回は前者で、各々がどこかで「これ、話してもよさそう」と感じている気がする場だった。

具体的な事柄、日々注力している分野は異なっていたが、抽象度を上げれば、クリエイションという点でつながっていた。

私は、抽象的なところと具体的なところを高速で行き来してものを作るのが好きだ。具体的なもののおおもとにある抽象的なもの、表に対する裏や奥のシステムや考えや意図が主な関心。どちらかだけでなく、どちらも。

自己紹介が難しい。抽象的な好みの話をすると、頭でっかちで偉そうに見られることがある(そんな日に限って睡眠不足、アイラインきつめ)。抽象とセットでないと具体に興味を示さないのを、幼いと言われることもある(そんな日に限ってオーバーオール。考えなしに作られたものは本当にどうでもいい)。具体レベルでバラバラのA・B・Cに共通点を見つけて喜ぶのを、具体的なひとつの分野に長けてない、専門性がない、チャラいと言われることもある(初めてこの意味でチャラいと言われた時は新鮮だったけど)。特に今は便宜上の肩書きもない。

完全に初対面なこと、利害関係がないこと、この半年自分のウェブサイトを作ってきて「誤解されないように言葉を尽くそうとしてきたけど、誤解も何も、自分でもよくわからないからどう解釈されてもいい」という気持ちが強くなったことがよかったのか。主催者の手腕か。2時間の歓談の中で、持ち時間3分、年齢が若い順での自己紹介の時間がいちばん記憶に残った。鼻水をすすった(参照:あまちゃん)。

思考深まる秋の始まり。

 

 

利用したウェブサイト

WordArt(ワードクラウドジェネレーター)
https://wordart.com
フリーフォントの樹 刻ゴシックフォント
http://freefonts.jp/font-koku-go.html
Coolors(配色ジェネレーター)
https://coolors.co/