道徳の系譜学

Date
3月, 24, 2018

著者:ニーチェ
訳者:中山元
出版社:光文社

発行日:2009年6月20日
形態:文庫

 

感嘆符が多い。

価値の逆転!

刑罰の目的
祝祭
債権と債務
負い目
麻酔たるルサンチマン
吐き気
司牧者と学者
禁欲的な理想

人間を保護するためだったはずの社会。
「こうした防壁が人間にもたらしたのは、野性的で、自由で、漂泊する人間の全ての本能が向きを変えて、人間そのものに刃向かうようになることだった」(156)

自己の欲望を否定することを欲望する、反動性。
「人間には、禁欲的な理想によってその方向が示されたあの意欲の全体が、そもそも何を意味しているかを隠すことは到底できないのだった。これが意味しているのは、人間的なものへの憎悪であり、それにもまして動物的なものへの憎悪であり、物質的なものへの憎悪であり、官能と理性そのものへの嫌悪であり、幸福と美しいものへの恐怖であり、仮象、変化、生成、死、願望、欲求そのものから逃れようとする欲求であるーーこれらのすべてについてあえて解釈してみれば、それは虚無への意志と解釈することができるだろう。これは生を否定する意志であり、生のもっとも根本的な前提となるものに反逆することである。しかしそれが一つの意志であることに変わりはないのだ!そしてわたしが[この論文の]最初に述べたことを、最後にもう一度繰り返すとすれば、人間は何も意欲しないよりは、むしろ虚無を意欲することを望むものである……」(328)

ニヒリズムをいかに克服するか。 虚無への意志を、肯定への意志に転換せよ?