葬儀を終えて

Date
12月, 05, 2020

 

著者:アガサ・クリスティー
訳者:加賀山卓朗
出版社:早川書房
発行日:2020年10月25日
形態:文庫

AFTER THE FUNERAL
by Agatha Christie
1953

 

紙でのポアロデビュー。
(私の初ポアロは、寝込んで動画すら観れなかった日のオーディオブック)

 

2020年10月に出たばかりの新訳版。
本屋に入ったときには買う予定がなかったのに、表紙の色合いにすっかり心を奪われて買ってしまった。
原題の “After” を「あとに」じゃなくて「終えて」としているところもいい。

 

本の冒頭に人物相関図がついているが、あっさりしていて使いにくい。
誰が誰と結婚していて、誰が生まれて、亡くなっているか。
何歳で、どんな職業で、どういう性格か。
自分でつくった相関図がとても役に立った。

 

「ポアロだー!」とワクワクしながら読み始めたものの、彼はしばらく出てこない。
120ページ目の7章でようやく現れる。
ポアロが出てくるまでの時間は、相関図作成に充てるといいと思う。

 

トリックに関係しそうなものの目星はついていたのに、犯人は最後までわからなかった。
文章作品ならではの仕掛けとも言える。
映像化されたものはどう表現されているんだろう。

 

総ページ数424、税込1276円。
3時間で読んでしまったので、見方によってはコスパがたいへん悪い。
最近は読むのに時間がかかる本ばかり読んでいたので、久しぶりに「ページをすばやくめくって読み進む」経験をした。
たまにはいいな。
次の作品を買う時には、表紙の新旧にこだわりがない限り、古本で探すつもり。