昭和の洋食、平成のカフェ飯 家庭料理の80年

Date
4月, 02, 2020

著者:阿古真理
出版社:筑摩書房
発行日:2017年2月10日
形態:文庫

 

テレビドラマや料理番組、雑誌、漫画といったメディアから、家庭料理の変遷をたどる本。

 

コロナウィルス蔓延に対して私ができることは、自分の免疫力を上げることと、夫の健康を保つこと。
外出自粛も相まって、台所に立つ時間が増えた。
いつもより野菜が増えて、品数も増えた。
冷凍庫を備蓄用の食材で満たしたので、できるだけ冷蔵庫だけでやりくりするようになり、頭も使うようになった。
忘れるからと冷蔵庫に貼って使うようになった食材マグネットが優秀で、うまいこといっている状態を維持できている。
こういうふうにしたい、とずるずる希求していたような食卓の、思いがけない実現。
やらざるを得ない状況でぶっつけでやってみたら、意外となんとかなった。
足りなかったのはスキルじゃなくて環境だった。

 

料理が得意な人、苦手な人、それぞれに理由がある。
家庭環境、自分の生まれた時代、親が生まれた時代、景気、メディアの影響が絡みあう。
自分がこうあることが、親からの影響を受けている、その親は前の世代からこういう影響を受けて育っている、という当たり前と言えば当たり前の流れを、家庭料理という具体的な例を通してよく理解できた。
著者がある時代を褒めたたえたり、非難したりすることなく、それぞれをそれぞれとの繋がりの中で丁寧に考察しているのがよい。
母の料理について、自分の料理について、それぞれ肯定することができた。

 

2020-04-02