2020/03/09

 

『ストーナー』の読書で、章ごとの要約とキーセンテンスの書き取りを地道にやる、というのを久しぶりにした。
いつもは要約せず、気になる文章に付箋をつけるぐらいだったけど、紙に出して俯瞰してみたくなった。
ノートに書くのは手が痛くて時間がかかった。
読んでいて印象が強いところも、全体で見ると必ずしも重要ではないかもしれないというのに気づけてよかった。

書いたあと、情報系の夫に読んでもらい、説明もした。
シェイクスピアのソネットも読んだ、大学の英詩講座でとったノート。
この際だからと引っ張り出して、おもしろくて強烈に覚えているジョン・ダンの「蚤」の話をしたら、ただ「難しい」と繰り返していた顔が吹き出した。
中世の詩を精読した日々の跡を見て、自分の学生時代と全然違うと言われる。

何かの役に立てるためでもない、お金を稼ぐためでもない、何かのためじゃなくていい。何をどう解釈してもいい。
自分が感じたこと・考えたことを、理由と論理で結びつけて形にすることが大切、という場をまがりなりにも出たことが、あまり深く考えず入ったとはいえ、今も自分の根幹をなしている。

夫にはてなマークが頻出した箇所を中心に加筆した。
読み返すと、蚤の話で爆笑した時間を思い出す。
あるテキストが読み手の解釈や経験や思い出を踏まえて新たなテキスト生成のきっかけになって、新しいテキストを書いたり読んだり説明したり会話の種にしたりしたことがその新しいテキストの一部になる、というのがとてもすき。

 

2019/11/11

Netflix「エイリアニスト」、1-10。
最終回のラストシーン。
主人公の精神科医が、老いた父の住む施設を訪れる。

 

I don’t really know why I came.
Maybe because now I’m free to speak my mind.

I’ve always blamed my failings as an adult on what you did to me as a child.
Those failings … were my own.
I remember something you once said to me.
“Nature never allows a man to be more than he is. Only less.”
For years, I believed those words reflected your own bitterness and failure.
But now I understand they were for my benefit.
You were simply preparing me for what you knew would be a lifetime of disappointment and pain.
But you were wrong, I know that now.
I still believe we can be better than nature intended, even if you can’t.
You did the best you could.
Goodbye, Papi.

自分がうまくやれないのを、過去に父さんから受けた仕打ちのせいにしていたけど、違う、自分のせいだった。
それと、昔言われた「人は持って生まれた以上のものにはなれない。それ以下にしか」という言葉。
父さんが自分の後悔や痛みから吐いた言葉だと思っていたけど、違う、僕のためだった。
人生につきものの失望と苦痛に備えさせてくれていた。
だけどそれも間違いだと、今ならわかる。
人は持って生まれたもの以上に成長できると思う。
父さんには無理でも。
父さんはがんばったよ。

 

もともと、even ifは英語の中でも好きな表現なんだけど、このドラマのこのラストのこのeven if以下は、英語じゃないと言えない感じがして繰り返し観た。

 

 

2019/10/13

きっかり正午から作り始めたコロッケ。
簡単なレシピを2種類、ふたりで手分けしたけど
出来上がったのはおやつの時間。
冷凍ストックする分はあとにして、早めに食べればよかったかな。

ポテトコロッケは練乳入り。
買い忘れて豆乳と砂糖で作った。
里芋コロッケは塩麹入り。
シンプルな「混ぜるだけ」に行くまでの、ぬるぬるの皮むきが終わらない。

横で玉ねぎを飴色になるまで炒める人。
2種類の芋をゆでて、それから2種類の肉に火を通す。

すべての工程に手間がかかる。

あれおねがーい
おっけー
こっちどうしよー
そこー
これはこうするの
おーん
うしろとおるよー
きをつけてー

お店に行けば
1個100円くらいで手に入って
お昼にすぐ食べられて
油の処理もしなくてよくて
ずっと楽なんだけど。
今日は「し」と「い」をくっつけたかった。

ポテトコロッケは揚げると思いのほか膨らんで気品をまとった。
里いもコロッケはかじると中がとろとろで、クリームコロッケみたいだった。

 

笑顔でぽてね(コロッケver.)を見送って
お目覚めを待つ午後7時。
もぞもぞ起きてきて
しゃきしゃき感3割増で台所へ向かった人に
「そろそろ夕ごはんの時間だよ!」と急かされる。
今夜は作り置きのカレー。

2019/10/12

唇が切れて血が出た。
ハロウィン仕様だと笑う。

 

 

2019/09/18

I Was Icarus
by Ulrich Berkes
Issue no. 106 (Spring 1988)

It must have been a hot summer back then, when I could fly.
I was maybe seventeen.
My room was on the ground floor, facing the back.
Night after night I lay on the bed and imagined myself flying.
That was a strain, I tell you.
Usually I’d lie perfectly still for an hour before my body rose from the bed.
Very slowly I rose, until I hovered a meter or so off the floor.
Then with swimming strokes I propelled myself through the open window.
Outside I flew higher and higher, over the garden fence, over the clothes-lines, over the roof tops and the apple-trees on the outskirts of town.
The entire flight I felt the wind’s touch on my skin,
and sometimes I heard voices, calling.

—Translated by George Kane

文芸誌Paris Reviewのメールマガジンが、毎日詩を届けてくれる。
過去に誌上に載った詩の中から、少しずつ。

9/14に届いた詩が気に入って、何度かメールボックスを開けて読み返したり、ひかえめの声量で読み上げたりした。