今日の夫の弁当はナポリタン。
ウインナーの代わりにちくわをいれた「ちくわたん」。
かわいい。
たぶん彼は「今日はちくわたんだ!」と名前を反芻して食べるはず。
かわいい。
ケチャップを食べられない私はうどんをゆでて、レタスと豚しゃぶ、塩だれと和えた。
ほぐして乗せたカニカマは、かわいさよりも激しさが勝つ。
結局名なしだったので、反芻してかわいくなる夢も叶わず。
今日の夫の弁当はナポリタン。
ウインナーの代わりにちくわをいれた「ちくわたん」。
かわいい。
たぶん彼は「今日はちくわたんだ!」と名前を反芻して食べるはず。
かわいい。
ケチャップを食べられない私はうどんをゆでて、レタスと豚しゃぶ、塩だれと和えた。
ほぐして乗せたカニカマは、かわいさよりも激しさが勝つ。
結局名なしだったので、反芻してかわいくなる夢も叶わず。
おとといわけのわからなかった英語の文章に、昨日ぬうっと現れてくるものがあり、今日ははっきり理解した。
南部の方言や口語に慣れてなかっただけだった。
ついでに単語を覚える流れを少し改善して、読むスピードを上げることにした。
文章を数ページ読んで、新しい単語を覚える毎日。
前に進んでいる実感が、自分を守って支えてくれる。
ウェブサイトのリニューアル。
何回目だろう。1年半前より知識が増えて、細かい好みをたくさん反映できた。
サイト構築の仕組みを理解しはじめると、がっちりとした(単純明快な?)論理性におどろく。
Aという構造だから、BするためにはCでなければならない。
Bしたいけど、私のつくったものはD。Bできない。論理的に考えて実施不可、みたいなことは理解できるようになってきた。
みなさんが数字でやりとりしてるのに、私はひらがなを使ってるような、お金の交換が条件の中でクッキーしか持ってないような、「その構造の中で自分が何を満たしてないか」がわかるようになった。
Cが手もとにないときでも、「論理的に考えて、必要なのはC」とわかれば、必殺「時間をかけて総当たり」で探せる。
だけど、手持ちがどうしてもDってときはお手上げ。お手上げになった仕組みだけ、説明できる。
そんなときに現れたスーパーヒーローの夫。
どうやって手持ちを既存構造に入れ込むか考えてくれた。
ウェブに詳しいわけでも、仕事で使ってる言語でもないから、最初は私が試したのと同じ策を試していたけど、尽きてからはしばらく自室にこもり、もうしばらくして飛び出してきた。
「論理的に考えて、===なはずだから、ここらへんに+++があるはず、それをいじればできる」
こういう瞬間の強気が、実はいつもうらやましい。
策を見つけて、ふたりでよろこぶ。
素人なりにがんばったぞと自画自賛するあたり、私は専門家にはなれない。
もう少し読み進めたくて、電車を降りたあと、ホームのベンチに移動した。普通列車が止まる小さな駅は、いったん人の流れを見送るとしばらく静かだ。
雲の隙間から、時折太陽が顔を出す。風がちょうどよく吹く。蚊はいない。
きりがないのに気がついて、本を閉じて帰路につく。行く手にすずめがいた。
ぱっと見、私とその生きものだけの空間で、おもしろさを感じ始めるのはなぜだろう。
私が一歩を進めるあいだ、正しくは一歩が着地する寸前に、すずめがたたっと二歩弾む。すずめに合わせる。
ぬきあしさしあししのびあし……リズムがいいな……英語だとつまさきでなんちゃらとか言いそう……あとで辞書ひこ……しまった脱線だ、というかホームから落ちるぞ気をつけろ…………すずめ……sparrow……ジャック・スパロウ……テッテッテレ テッテッテレ テッテッテレ テレ(パイレーツ・オブ・カリビアンのテーマ)……つい獲物を狙うモードになってしまうな……すずめも私も歩いてるだけ……いや、すずめは食べものを探してる…………
すずめと呼んでいるがあれはほんとにすずめか?……
階段へ差しかかる。すずめ(仮)はこちらを一瞥し、そそくさと飛び立った。
わすれたくないときは、わすれられないように仕向ける。
普段は、単語カードの片面に英語の綴り、裏に日本語の意味をさっと書くやり方でだいたい覚えられる。ただ、似た意味の単語がたまたま同じ週に続出したりすると頭に入らない。たとえば「綴りA=つまずく」「綴りB=つまずく」「綴りC=つまずく」に、つまずいて転ぶ。
記憶しにくいとわかった時点で、調べなおしたり別の辞書を使ったりする。電子辞書だと横断検索をかけられて便利。ニュアンスや語源の情報を加えると、言葉は格段に覚えやすくなる。
のはずが、この日は道のりが違った。「squit=目を凝らして見る」を覚えられずに調べなおしたら、「squit=役立たず」と出た。数日間、寝食を共にしてきた「squit=目を凝らして見る」のカード。周辺情報を知りたくて辞書を引いたのに、不意に前提を覆されて頭が「???」となる。ここはどこ、あなたはだれ?
結局「目を凝らして見る=peer」の類語検索で、squint のスペルミスだとわかった。
よく見ろよと言われ続けて、無視してて、今さら気づいた役立たず。
この流れとセットでうやうやしく格納された squint。