Waiting Time with a Tailor

 

“The shirts you’d tailored
make him unbeatable.
The laundry had been repeating
to put a note that they got worn out.
He has pretended not to see
and kept treasuring them
as his precious wings.”

When I finished the last word with thanks,
he came out of the fitting room.
Next voyage with new shirts.

 

 

Beautiful Birds

風を受けて、桜の花びらが転がる。
仕事のアイデアも、イヤフォンから流れる音楽も、さっきから同じものが頭の中で転がる。
目の前の現実と、直近でかかずらっていること、音楽の歌詞、感情が溶けあう。

Do you remember when we were two beautiful birds?
We would light up the sky when we’d fly.
私たちが2羽の美しい鳥だった頃を覚えていますか。
私たちが飛ぶと、空が明るくなったものでしたね。

現実や仕事とリンクする曲を見つける。
ある表現が頭の中に転がり込む。
転がり込みさえすれば、あとはしばらく流しておけばよい。
イントロで思索のスイッチが入るようになる。

言葉を聴いているようで聴いていない。
聴いていないようで聴いている。
感傷的なようで冷めている。
どこでもない場所で待つ。
言葉を足場にして、言葉にならないものを見ようとする。
ひとりだけど、ひとりじゃない気がする。

最近はもっぱら、Passengerの美しい鳥が私の周りを飛んでいる。
Do you remember when ~ の疑問文から始まるのが好みだ。
(私は英語が言語学的に好きで、その中でも疑問文と仮定法が好きなのだ)。
頭の中で転がる歌詞が、仕事のアイデアと合流して、きらめくのを待つ。

私は数年後、この曲を聴きながら、あの頃のことを覚えていますか、と自分に尋ねるんだろうと思う。

6/21-27 振り返りとお気に入り

 

■今週の振り返り

読んだもの:
Ralph Waldo Emerson, Self Reliance
ラルフ・ウォルドー・エマソン『自己信頼』
福岡伸一『せいめいのはなし』
ミヒャエル・エンデ『モモ』
ミヒャエル・エンデ『ものがたりの余白』
伊藤亜紗『手の倫理』

エマソンの原文は、大学時代にコピーして書き込みしながら読んだものを今も持っている。読み返すたびに書き込みを追加しているので、とても汚いのだけど、そのぶん自分の血肉になっている気がして捨てられない。原文をちらっと読み返したら、止まらなくなり、そのまま日本語のほうも読んだという、エマソン×2の週だった。ついでにエンデも×2。英単語の勉強方法を少し改善させた。

生活:
とにかく眠い時期で、よく昼寝をした。
家に3台いるAmazon Echoのうち、自分の部屋のぶんをバイリンガルにした。基本的に英語で話す。定型アクションの台詞を英語につくりかえた。これで、zoom会議中に彼女が話し始めても、あんまり混乱しないと思う。
しばらく髪を伸ばしていたが、思うところあって、切ることにした。

 

■今週のお気に入り

記事: Over 200 Funny Alexa Commands To Get You Laughing
https://www.techjunkie.com/funny-alexa-commands/
Amazon Echoに使うと面白い台詞集。
“Alexa, Tea. Earl Grey. Hot.”と言ったら、レプリケイターがオフラインなので無理、といった趣旨の返事。
“Alexa, make it so.”には、はいはいキャプテン、という返事。
(どちらもスタートレック絡み)

言葉: ニュースリリース
いつもぼんやりと、「昨日そうだったことが、今日も続いているとは限らない」と思っている。ので、「今日君のことが好きだからって、明日も好きかはわからない」し、「今日私のことを好きって言ってくれてるからって、明日もそうだとは限らない」と思っている。そんなわけで、朝起きて、夫の顔を見て、「わーお。今日も好きだー!」と思ったら、伝えるようにしている。「今日も好きやで」とか、「今日もわりと好き」とか言う。今週はそれを「ニュースリリース」と称してみた。「2021年6月26日、本日も好き、ということが発表されました」みたいな感じで、朝にお伝えする。夫は笑いながら、「好きじゃなくなったらリリースすればいいじゃん」と言う。好きのリリースの方がハッピーだから、これでいいのだ。

スキル: 自分の英語力
ふいに、「英語を読めること」にすごく感謝した瞬間があった。年をとっても失くしたくない。大切にしたい。

 

 

6/7-13 振り返りとお気に入り

■今週の振り返り

読んだもの:
David Bayles, Art & Fear: Observations On the Perils (and Rewards) of Artmaking
佐々木康裕『D2C』
牧野圭太『広告がなくなる日』
エーリッヒ・ケストナー『点子ちゃんとアントン』
池澤夏樹『スティル・ライフ』
ジョージ・オーウェル『一九八四年』

ケストナーはいつ読んでも染みる。

生活:
外に出た週。病院で定期健診。先生はもうワクチンを打ったそう。帰りに小さな本屋に寄ったものの、ラインナップが物足りず、翌日に丸善へ。あれこれ比べ読みして、選りすぐりのブックリストで購入した。新緑の色、風の匂い、鳥の鳴き声を懐かしく楽しんだ。もう6月だ。梅雨、どこいった。

 

■今週のお気に入り

風景: 研修
丸善に行った帰りのバス停。「研修車」と表示のあるバスが通った。目当てのバスが来て、運転手さんの向かい、いちばん前の席に座った。私が乗ったバスと研修車のルートが同じだったので、研修車を擁護するような、追いかけていくような時間を過ごした。
別の日、散歩中。土がいっぱいの更地にショベルカー。若い操縦手。そこから少し離れて見守る人。土をある地点からある地点に動かし、ならす作業を続ける。あるタイミングで、操縦手が腕を上げてガッツポーズ。見守りの人もガッツポーズ。私も心の中でガッツポーズ。

音楽: 米津玄師 Pale Blue
曇り空の夕方、散歩中の土手で初めて聴いた。私は歌詞を聴くのだけど、彼は「色のついた単語」を使うのがすごくうまいと思った。色のない単語が続いているところに、「空」が出てきたときのインパクト。MVを見てしまうと、視覚情報を強制的に規定されちゃうのにも気づいた。

ずっと 恋をしていた

これでさよなら あなたのことが
何よりも大切でした
望み通りの終わりじゃなかった
あなたは どうですか

友達にすら 戻れないから
わたし空を見ていました
最後くらいまた春めくような
綺麗なさよならしましょう

ボルト

 

会社のビジョン、ミッション、バリュー(VMV)をつくるお仕事を手伝っている。昔いた会社でよく考えていたことだが(会社のVMVを海外の工場の人に教えたり、そのうえで自分のチームの目標云々をつくってもらったりしてた。そもそも自分の仕事は、会社のVMVからブレークダウンされたものだったし)、勉強しなおすにあたり、「自分の人生のVMVも書き出してみなきゃね」と思い、しばらく頭の隅において生活していた。ら、ある日の会合の15分前にぽんと出てきた。

中学生のころに決めたものに向かって(ビジョン)、コアは守りつつ、いろんな変数で試してきた行動履歴があり(ミッション)、大事にしている行動基準があった(バリュー)。

びっくりした。本質的にはずっと同じことやってる。点と点があとからつながる感じがわかった気がした。

 

“a bolt from the blue”は「青天の霹靂」。この “bolt”、空からボルト、釘が落ちてくるんだと思ってたけど、「稲妻」の意味らしい。 “thunderbolt”「稲妻」と同じ。ふむふむ。