1/11-17 振り返りとお気に入り

■今週の振り返り

読んだもの:
・Karen Russell, St. Lucy’s Home for Girls Raised by Wolves
キム・エラン『走れ、オヤジ殿』
・草場妙子『TODAY’S MAKEUP』

英語の短編の精読にはパターンがあって

1 単語がわからん
2 文法がわからん(倒置とか関係詞の読み取りが苦手)
3 単語も文法もわからん
4 単語も文法もわかるが何を言ってるのかわからん

のいずれか。1~3は「ちょっとだけわからん」から「全然わからん」までレベルに幅がある。そこに短編のページ数が係数としてかかる。1はとにかく調べればよい。2は何度も読みこむ。簡単な単語からなる定型句を知らないだけのこともあったり、重要な単語を読み飛ばしていることもあったりで、滞留時間を長くすれば解決することも多い。3は1と2の合体バージョンなので、より時間がかかる。でもかければどうにかなるのが3。かけてもどうにもならないのが4。すごく抽象的とか、宗教的とか、スラング中心とかだと苦手。たいていの場合、私は1が多い。
読むときの1回目はざっと読み、わからない単語に印をつける。2回目は文脈を確認しながら単語の意味を調べる。3回目は通しで全部読む。
今週の St. Lucy’s Home for Girls Raised by Wolves は「狼人間として生まれた子どもたちが、狼人間社会と人間社会の架け橋となるため、人間社会で社会化の訓練を受ける」話だったのだけど、語り手でもある主人公の狼人間の女性が、「自分はうまく人間として教育された」ことを示したいのか(私が単に知らないだけなのか)、彼女の使う単語がなんとなく硬い印象で、辞書を引くと「正式」「格式ばった」「古風」とか書いてあるものが多かった。あとはカトリック教会の設備の名前とか、狼が食べる動物の種類とか、植物の名前など。週の1/3は単語を調べていた。おかげで単語帳のリストが増えた。
毎週毎週、するするとは読めない自分と対峙しているのはつらい。イチローが、野球選手として野球をするということは、ホームランを打った瞬間などの達成感はあるにせよ、基本的には全然楽しくない、できない自分と向き合う作業だからしんどいことだと言っていた。私はおもしろい単語に会ったときと、単語を調べ終えて通読するときと、通読したものがすごくよい作品だとわかったときは、叫びたいくらいいい気持ちになるけれど、それ以外はいかにめげずにコツコツ進めるかなので、地味で孤独で体も痛い。
Nortonの教科書は2000ページあって、今ようやく276ページ目。1/10が終わった!大学の時、授業のぶあつい教科書を読み切ったら、TOEICのスコアが100点ぐいっと上がったことがあった。今のレベルを何のテストで測ればいいかわからないけど、2000ページを読み切ったら、新しい世界が待ってると信じている。

生活:
帰省できないからと、夫のおばあちゃんにフォトカレンダーを贈ることにした年末。富士フィルムのサービスを利用して、私たち夫婦の写真を大きなカレンダーに仕立てた。今週はそれが届いたので、一旦開封して中身を確認。夫の両親と猫様への贈りものを買い足し、お手紙を書き、梱包しなおして発送。無事に届いて、喜んでもらえてうれしかった。夫と、1年の総まとめとしてまたこういうカレンダーをつくれるように、楽しく過ごして、都度写真を撮りたいねと話した。
気圧変化が激しくて、めげて、一旦底まで落ち込んだ。公園で散歩を始めた。いろいろ事前に設計しつくしたので楽しい。桜の木の枝の先が、思っていたよりも太くて、力強い蕾をつけていた。以前読んだ染色家の方の本に、桜から色を採るときは、花びらではなくて枝から、とあったのを思い出した。枝を煮出すと桃色が採れるらしい。今見えている景色は寒々として、色がないけれど、見えないところに桃色が満ちているんだと想像しながら歩いている。

 

■今週のお気に入り

食べ物:鱈の干物
切り身に塩麹を適当に塗って2~3日置き、洗って干すだけの簡単干物。久しぶりに再開した。安くて簡単でおいしいのはいい。ぷりぷりしていて、贅沢なメインディッシュ。>

動画(NETFLIX):あなたの知らない卑語の歴史(原題:History of Swear Words)
地上波での放送だと「ピー」の音がかぶせられるような「卑語」をテーマにした、NETFLIXオリジナルコメディ。ある卑語がどういう過去を経て現在の意味になり、今後どんな発展をしていくかについて、歴史やカルチャーの専門家が話してくれる。積読リストに入れている本の著者(辞書編纂者)が登壇しているのもあり、たいへん興味深く観た。たとえば、雌犬を意味していた「ビッチ」という単語がいかに性的に意欲的な女性の意味になり、女性を勇気づける意味に変わったかなど。昔言語学で学んだ単語がちょいちょい出てくる。説明用のキャプションがつくのを見て、「ああ、私の知ってるこの言葉は専門用語で、一般的な言葉じゃないんだ」と新鮮な気持ちになった。私はここで取り上げられている言葉を日常遣いする環境にいないのでわからないけど、卑語は感情を表現したり、爆発させたり、エネルギーを得たりするのに重要な役割を担っていることを知った。映画のレーティングが、「ファック」の登場回数で決められているなんて初めて知った。ニコラス・ケイジの真面目さも素敵。

 

1/4-10 振り返りとお気に入り

 

■今週の振り返り

読んだもの:
Margaret Atwood, Lusus Naturae 

「単語は簡単なのに、何を言っているのかわからん・・・」というときは、決まって熟語だった。辞書で調べてすぐに答えが得られる文章って毎回じゃないので、いいペースで楽しく読めた。

生活:
毎日の英単語とLusus Naturaeを読んだ以外は、わりとぼけーっとしていた。ホルモンや気圧の変化が激しくて頭痛やめまいがつらかった。動けないと落ち込む。動く、というのは思いのほか私の強い欲望らしい。
でも、会社で働いてた頃、「元気なときは猛烈に働くから、1ヶ月のうち、調子が悪い1週間をしっかり休みたい」と思ってたのを思い出し、その通りにやれる環境なんだからそうやろうと思い至った。土日関係なく、元気な時は勉強して、調子が悪い時期は気にせずスイッチを切り、呆然とする、呆然としている状態に集中する、のもいい。
Book Depositoryで1年ぶりに洋書を注文。届くのが楽しみ。

 

■今週のお気に入り

食べ物:おでん
濃い目の煮干し出汁に昆布、かつおを入れてつくる。出汁や醤油に地域差があることを知らなくて、どんなレシピでつくっても九州で食べていた味ができるもんだと思っていたころから、ずいぶん成長した。「これがうちの味!」に辿りついた。どんな具を入れるかはたいして重要ではない。おでんは出汁がすべて。
それにしても、おでんって油抜きとか、灰汁取りとか、下茹でとか、味をなじませる時間とか、見た目以上に手間がかかるのに、夫がそんなこと気にせずにウッキウキで平らげる姿は、嬉しい反面切なくもある。

カタログ:W.W.Norton 社の2020-2021年用カタログ
https://cdn.wwnorton.com/marketing/college/catalogs/R-214D_LiteratureCatalog2020.pdf

注文したい本があって、たまたま見つけたもの。W.W.Norton社は、文学系の教科書の出版社。カタログの最後のページが好き。英語や文学専攻の人間は社会で役に立たない、人文系を学んでも意味ない、という論調はよくあるけども、こういう風に言ってくれる人たちがいるのはいい(今使っているNortonの本にも、Googleやtwitter社のエグゼクティブだったSantosh Jayram氏が2012年、雑誌のインタビューでこう答えていると紹介されている: “English majors are exactly the people I’m looking for.”)

カタログ最終ページのメッセージ:
What can you do with an English major?
Better to ask. “What can’t you do with an English major?”
The skills you learn in your English courses help prepare you for the jobs listed here and countless more!

コアスキルを挙げて、関連する職業の例を挙げている:
Recognize and create engaging narratives
Bulid effective arguments
Understand other points of view
Communicate clearly and persuasively
Research thoroughly
Analyze and critique text

 

言葉:glean
「落ち穂などを拾い集める」「本・話などから、情報などをコツコツ収集する」の意味。「コツコツ」が今の私の勉強そのもので、どこかでまた出会うことがあったら、ここぞとばかりに読み当てたいと思った。

言葉:apparition
ghostの意味と同じだが、特に「突然出現する亡霊」とのこと。「突然」という差分のために別単語があるってさ・・・。

言葉:タラモサラダ
夫とつくっていたら、「タラモのモってなんだ?」「タラコとじゃがいもか?」という話になった。Alexaに聞いたらギリシャ語だと言った。ふたりで「んなわけないじゃん」って笑ったんだけども、wikipedia先生も同じことを言っていた。Alexa、信じなくてごめん。

タラモサラタ(ギリシャ語:ταραμοσαλάτα / taramosalata、トルコ語ではタラマ:Tarama)は、ギリシャおよびトルコの料理。タラモサラダとも呼ばれる。
タラマ(魚卵の意)とニンニクをパンまたはジャガイモに練り合わせたメゼ(軽食、前菜)である。地中海地方ではもっぱら塩漬のコイやボラの卵を使用し、タラコは代用品である。日本ではタラコとジャガイモを用いてマヨネーズで調味する場合が多く、その語感から「タラコとジャガイモのサラダ」の略と誤認されることも多い。

 

 

 

 

2020/12/28-2021/1/3 振り返りとお気に入り

 

■今週の振り返り

読んだもの:
・Alissa Nutting, Model’s Assistant
Alissa Nutting, Ice Melter

元旦を Ice Melter で始めた。短いのにすごくよくて、読み終わってしばらく余韻に浸っていた。

生活:
4月生まれだからか、働いていた会社の決算期が3月だったからか、新年にはあまり新しさを感じず、淡々と過ごす。普段から掃除していると「大掃除」の必要もあまりなく。窓を拭きたかったけど、寒すぎたので後日にすることになった。掃除しやすいという意味でも、4月始まりは好き。暖かいし、桜は綺麗だし、明るいし。新年明けたてにもかかわらず、心は春に向かっている。
ただ蟹がうまいのは冬なので、ここは「年末年始ですから」とかこつけて食べた。
新しいことを年末に始め、1年の振り返りを年始にしている、あまのじゃく。

 

■今週のお気に入り

音楽:Jo Kyu Chan & Brian McKnight, Thank You (For Saving My Life)
昔買ったブライアン・マックナイトのアルバムに、日本版限定ボーナストラックとして入っていた曲。ふと思い出してiTunesでブライアンのアルバムを探しても出てこない。タイトルを思い出せないけど歌詞は覚えている、という状態からなんとか辿り着いた。

食べ物:ぎょうざ
年末年始に食べようと、夫と一緒に仕込んだ。白菜の漬物、にら、ねぎ、豚ひき肉、調味料。完全食、かつ一度にたくさん仕込める、冷凍できる、おいしいというのがすばらしい。おニューのティファールフライパンでパリパリの羽根をつくって食べた。たれは岐阜のお酢とクラタペッパー。

道具:プランニングツール
ウィークリープランと、スタディプランのフォーマットをつくった。デイリーのタスクに目が行きがちで、あまり長期的に考えることができてなかったなと。何を目指してて、月にどれくらいやりたくて、週単位だとどれくらい達成が必要で、みたいなのをあらためて考えた。1日にやれることって多くないと気づく。時間は限られている。ジョブズが「死は最高の発明」と言っていたけど、死に直行しない病気も、いい発明品だと思う。おもしろいものはたくさんあるけど、すっごくおもしろいものは多くないので、限られた時間をいかに使うか、慎重に考えたい。

 

12/21-27 振り返りとお気に入り

 

■今週の振り返り

読んだもの:
・Alissa Nutting, Model’s Assistant
・今年のバレットジャーナル

生活:
PMSで頭が働かないぶん、体を動かした。病院ついでに街へ出た日、ついでに本屋に寄ったら楽しくてあっという間に時間が過ぎた。ずっと欲しかった参考書だけ買って帰った。25日にクリスマス会兼おつかれさま会。いろんな種類の焼き野菜と、葉野菜、モッツァレラチーズ、塩麹ドレッシングでつくったサラダが、メインディッシュのローストビーフを軽やかに圧倒。スープはにんじんと玉ねぎのポタージュ、飲み物は「シャンパン」と名づけたジンジャーエール。ケーキなし。健やかなクリスマスだった。

 

■今週のお気に入り

道具:無印 シリコーン調理スプーン(スモール)
クリスマスは「家でふたりで使うもの」を買うルール。古くなったティファールのフライパンと調理器具を新調。無印のシリコンスプーンはもともと持っていて、まだ現役だけど、小さいサイズが出ていたので購入。当たりだった。手の大きさに合っていて使いやすい。シリコンだから洗いやすいし、半永久的に使えるのも好き。

食べ物:カントリーマアム
実用性重視な我が家にも来てくれたサンタ。

動画:エレメンタリー ホームズ&ワトソン in NY、S3-Ep.8
話の序盤でNY市警の警官が殉職。後日、管内の警官が「最終呼びだし」と声をかけられて部屋に集まり、ラジオの放送を聴く。

本部より巡査73199。
本部より巡査73199。
アレック・フリン巡査、応答を。
本部より巡査73199。
巡査73199。
応答なし。
73199アレック・フリン巡査は勤務を終了。
最後の帰宅をしました。

葬儀からの中継か、特別な放送か。追悼の雰囲気が伝わってくるとはいえ、背景を知らなかったので調べた。End of Watch Call とか Last Radio Call と呼ばれるもの。2000年代中頃にアメリカ東海岸の警察で始まり、消防隊などの他職種も含め全土に広がったとのこと。ドラマを観ながら、そこに出てくる習わしを調べたことが久しぶりだったので、心に残った。お気に入りカテゴリに入れるには不適切かもしれないけど。何かの作品に対峙するとき、それを「楽しむ」だけじゃなくて、「知らない世界を知るきっかけにする」という視点はいつももっていたいと思った。
https://en.wikipedia.org/wiki/End_of_Watch_Call

 

 

GPDCA

 

9月、12月、1月、4月は、目標やタスクの管理ツールを見直すことが多い。
新しい年・年度に変わり、手帳やカレンダーを見かける時期に、「今使ってるものはうまく機能してる?」と自問する。

昔は市販の手帳、人気のアプリ、管理方法などを使っていた。
ありもののツールに自分を合わせるやり方は散々試してみたけれど、合わなかった。
ここ数年はもっぱらバレットジャーナル(BuJo)で、フォーマットやサブツールを試行錯誤してつくっている。
BuJoのフォーマットは自由だし、使うページ数も日によって変えられるのがいい。
市販の手帳のような、「ここは使いやすいけど、ここだけは気に入らない」「廃盤・・・」がない。
アプリでよくある「アップデートで別物になった」「使いづらい機能が追加された」「いつの間にかサービスが終了してた」「めっちゃカラフル」のような、外部からの強制的な影響もない。
どんな言葉を使うか、読むか、と同じくらい、どんな環境にいるか、どんな道具に身を任せるか、というのに慎重。

今日は BuJoのフォーマットとサブツールを見直して、手薄になっているところを見つけた。
一日の基本スケジュール表があり、そのひとコマひとコマは短時間で終わるタスクがほとんどなのだけど、勉強や読書については数時間まとめてひとコマで、他のタスクと粒度が違う。ここに何かが必要。

今日はそのツールの試作。
使ってみて、また試作。