好きな人からのLINE

Date
1月, 30, 2021

 

たとえばあなたの知的好奇心をくすぐるとても興味深い記事や、好きな芸能人やスポーツ選手の、かなり熱のこもったインタビューが、タイムラインに流れてきたときのことです。しかし、そんなときに、あなたが気になっている異性(同性でもいいですが)、尊敬する人物からLINEでのメッセージが届いたとします。どちらも同じ文字情報です。あなたにとって、より心が躍る、重大なメッセージとなりうるのはどちらでしょうか。
多くの人はおそらく、後者の「好きな人からあなたのために送られたメッセージ」のほうが、より心躍るものになるのではないかと思います。つまり、どんなに作り手が熱をこめたものを発信しても、それは自分の身近な人物からのメッセージ―たとえそれが何気ない気軽なものであったとしても―にはかなわないのです。現代における最強のコンテンツの作り手とは、一流のクリエイターや編集者ではありません。それは多くの場合、自分の好きな人であったり、恋人であったり、友人であったりするのです。

チェコ好き『旅と日常へつなげる』

 

編集・ライターをしていたときに読んだ電子書籍で、今もたまに読み返す。2016年に発行されたもの。

今日、この引用部分を思い出したとき、「そういえば、夫からLINEが来たとき、『夫から』って思ってないな。『好きな人から』来たって思ってるな」と気づいた。夫に訊いたら、彼も同じだと言っていた。この先がどうなるかわからないけど、家族になってそろそろ10年になるというのに、お互いを役割のラベルで認識していないのがおもしろかった。

 

 

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