1/11-17 振り返りとお気に入り

Date
1月, 18, 2021

■今週の振り返り

読んだもの:
・Karen Russell, St. Lucy’s Home for Girls Raised by Wolves
キム・エラン『走れ、オヤジ殿』
・草場妙子『TODAY’S MAKEUP』

英語の短編の精読にはパターンがあって

1 単語がわからん
2 文法がわからん(倒置とか関係詞の読み取りが苦手)
3 単語も文法もわからん
4 単語も文法もわかるが何を言ってるのかわからん

のいずれか。1~3は「ちょっとだけわからん」から「全然わからん」までレベルに幅がある。そこに短編のページ数が係数としてかかる。1はとにかく調べればよい。2は何度も読みこむ。簡単な単語からなる定型句を知らないだけのこともあったり、重要な単語を読み飛ばしていることもあったりで、滞留時間を長くすれば解決することも多い。3は1と2の合体バージョンなので、より時間がかかる。でもかければどうにかなるのが3。かけてもどうにもならないのが4。すごく抽象的とか、宗教的とか、スラング中心とかだと苦手。たいていの場合、私は1が多い。
読むときの1回目はざっと読み、わからない単語に印をつける。2回目は文脈を確認しながら単語の意味を調べる。3回目は通しで全部読む。
今週の St. Lucy’s Home for Girls Raised by Wolves は「狼人間として生まれた子どもたちが、狼人間社会と人間社会の架け橋となるため、人間社会で社会化の訓練を受ける」話だったのだけど、語り手でもある主人公の狼人間の女性が、「自分はうまく人間として教育された」ことを示したいのか(私が単に知らないだけなのか)、彼女の使う単語がなんとなく硬い印象で、辞書を引くと「正式」「格式ばった」「古風」とか書いてあるものが多かった。あとはカトリック教会の設備の名前とか、狼が食べる動物の種類とか、植物の名前など。週の1/3は単語を調べていた。おかげで単語帳のリストが増えた。
毎週毎週、するするとは読めない自分と対峙しているのはつらい。イチローが、野球選手として野球をするということは、ホームランを打った瞬間などの達成感はあるにせよ、基本的には全然楽しくない、できない自分と向き合う作業だからしんどいことだと言っていた。私はおもしろい単語に会ったときと、単語を調べ終えて通読するときと、通読したものがすごくよい作品だとわかったときは、叫びたいくらいいい気持ちになるけれど、それ以外はいかにめげずにコツコツ進めるかなので、地味で孤独で体も痛い。
Nortonの教科書は2000ページあって、今ようやく276ページ目。1/10が終わった!大学の時、授業のぶあつい教科書を読み切ったら、TOEICのスコアが100点ぐいっと上がったことがあった。今のレベルを何のテストで測ればいいかわからないけど、2000ページを読み切ったら、新しい世界が待ってると信じている。

生活:
帰省できないからと、夫のおばあちゃんにフォトカレンダーを贈ることにした年末。富士フィルムのサービスを利用して、私たち夫婦の写真を大きなカレンダーに仕立てた。今週はそれが届いたので、一旦開封して中身を確認。夫の両親と猫様への贈りものを買い足し、お手紙を書き、梱包しなおして発送。無事に届いて、喜んでもらえてうれしかった。夫と、1年の総まとめとしてまたこういうカレンダーをつくれるように、楽しく過ごして、都度写真を撮りたいねと話した。
気圧変化が激しくて、めげて、一旦底まで落ち込んだ。公園で散歩を始めた。いろいろ事前に設計しつくしたので楽しい。桜の木の枝の先が、思っていたよりも太くて、力強い蕾をつけていた。以前読んだ染色家の方の本に、桜から色を採るときは、花びらではなくて枝から、とあったのを思い出した。枝を煮出すと桃色が採れるらしい。今見えている景色は寒々として、色がないけれど、見えないところに桃色が満ちているんだと想像しながら歩いている。

 

■今週のお気に入り

食べ物:鱈の干物
切り身に塩麹を適当に塗って2~3日置き、洗って干すだけの簡単干物。久しぶりに再開した。安くて簡単でおいしいのはいい。ぷりぷりしていて、贅沢なメインディッシュ。>

動画(NETFLIX):あなたの知らない卑語の歴史(原題:History of Swear Words)
地上波での放送だと「ピー」の音がかぶせられるような「卑語」をテーマにした、NETFLIXオリジナルコメディ。ある卑語がどういう過去を経て現在の意味になり、今後どんな発展をしていくかについて、歴史やカルチャーの専門家が話してくれる。積読リストに入れている本の著者(辞書編纂者)が登壇しているのもあり、たいへん興味深く観た。たとえば、雌犬を意味していた「ビッチ」という単語がいかに性的に意欲的な女性の意味になり、女性を勇気づける意味に変わったかなど。昔言語学で学んだ単語がちょいちょい出てくる。説明用のキャプションがつくのを見て、「ああ、私の知ってるこの言葉は専門用語で、一般的な言葉じゃないんだ」と新鮮な気持ちになった。私はここで取り上げられている言葉を日常遣いする環境にいないのでわからないけど、卑語は感情を表現したり、爆発させたり、エネルギーを得たりするのに重要な役割を担っていることを知った。映画のレーティングが、「ファック」の登場回数で決められているなんて初めて知った。ニコラス・ケイジの真面目さも素敵。

 

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