ベジエ曲線は突然に

Date
7月, 25, 2020

 

画像編集ソフトで、突然ベジエ曲線を引けるようになった。
ぐにゃぐにゃの線しか引けなくて、すっかり諦めていたのに。
なぜ引けるようになったかというと、何がどういう名前で、どういう風に動くのかを勉強したから。
なぜそれができなかったかというと、最初の入り方が「デザイナーに動かし方を見せてもらってそれを真似する」だったからだと気づいた。

「これはね、こうするの。これはこう。うんうん、そうそう、それを続けるとうまくなるよ」と言われて、
「これはこうする。これはこう。うんうん、これを続けるとうまくなる」と信じて、
おおざっぱな動きとディスプレイの画面の記憶を頼りに、マウスを動かしていた。
でもそれは練習と呼べるようなものじゃない。
単に「マウスを触る ⇒ ぐにゃっ」を数回繰り返し、すぐにソフトを閉じていたんだから、
「基礎練習を続けているうちに実は体がコツを覚えていた」みたいなものじゃない。

動きを真似しながら、言葉を介さずとにかくやってみよう、という学び方は私には本当に合ってない。
それを忘れて身体的模写を続けていたら挫折する。
挫折の「どうしようもなかった感」や「諦め」が頭にこびりついたまま消えない。
「名前や構造を勉強したらすぐわかる」という傾向の顔を出す余地が、代わりに消えてしまう。
いつもいつも。
頭の中のこの仕組みを思い出せない、途中で気づけないのもいつも。
だいぶ時間が経って、ふと名前や構造を手に入れて、突然できるようになるのもいつも。

この仕組みのデメリットは、「体を動かしていれば自然とできるようになる学派」の人に怒られること。
自分が「体を動かしていれば自然とできるようになる学派」ではないことを忘れ、できないことに一定期間落ち込むこと。

メリットは、学び方の違いを思い出して問題点を把握し、落ち込みから抜け出せれば、自分のバグっぷりも含めてたのしくなり、対象を好きになれること。
できるようになることが、とてもうれしいこと。

 

あの日 あの時 あの場所で 言語情報なかったら
僕等はいつまでも 見知らぬ二人の まま~

 

 

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