著者:ロバート・A・ハインライン
訳者:小尾美佐
出版社:早川書房
発行日:2009年8月15日
形態:単行本
夏が終わりそうなので読んだ。夏の暑いのは好きじゃないんだけど夏という言葉が喚起するイメージは好き。
はじめの方では、タイムトラベルに明確な意図がなかったのに、2回目以降は目的意識が違った。ただ行ってみたい・逃避したいではなくて、成し遂げたいことがあっての移動。幸せになるんだって、幸せになれるはずだって、強く信じて体を張った。時間軸はくねくねうようよしてるけど、主人公の意志はほぼ直線のように思えた。
1956年に発表された、1970年と2000年を行き交う小説。未来はきっと幸せなんだって、人類はきっと進歩してるんだろうって、信頼と期待が詰まっている。
「ピートはまともな猫なので、外に行く方が好きだし、家じゅうのドアを開けてみれば、そのなかのどれかひとつは必ず、”夏への扉”なのだという信念をぜったい曲げようとはしない。そう、ピートが正しいのだとぼくは思う」
30年後はもっと幸せになれる、夢を実現するんだって、信じよう。
背中をぽんと押してくれる作品だと思う。