地下室の手記

Date
3月, 23, 2018

著者:ドストエフスキー
訳者:江川卓

出版社:新潮社
発行日:1969年12月30日
形態:文庫

 

読んだのは、ある教授が「なみだでた」と言ってたから。

ひきこもりの話。

2部構成。全体的にねちっこい。言葉が足らん卒論のお手本にしたい。

1部でふむふむ、読了でぽかん。絶望のかけら、わからなくもない、むしろわかるって言いそうで、いや、わかりきるのはありえんって制して、のセンチメートルな気分のあとの、絶望そのものの具現。つきつめたら。世界が愚か。自分も愚か。だから、ひきこもる。

解説より。
「モノローグには、おそらく他者を、さらには他者の意識に映る自己を意識していないような文章は、一つとしてないだろう。かくして意識は、二枚の合わせ鏡に映る無限の虚像の列のように不毛な永遠の自己運動を繰り返し、ついになんらの行動にも踏み出すことができない」