文学に興味を持つ若い友人へ

Date
4月, 16, 2018

著者:渡辺一夫
出版社:彌生書房

発行日:1995年3月30日
形態:単行本

 

幼いころから老齢まで、渡辺の周りにどんな人がいたか、フランス文学・語学にどう入っていったか。学問の話、読書の話。表題のエッセイは、作家のゴシップと作品の関係についてのもので、簡潔に終わっている。

『コクトーの芝居に寄せて』では、コクトーの『バッキュス』を読みたくなった。『善い野蛮人』では、モンテーニュを読みたくなった。ルネサンス期は英文学史の授業でとっつきにくいと感じていたが、この本を読んでいると、彼の身近にいた乳母や教師、同朋と、ローマ教皇、ラス・カサス、モンテーニュ、スペイン人、アメリカ西インド諸島の土着民が、皆同じ人間なのだと、はっとさせられる。『ルネサンスの人々』も楽しみだ。

なお、「ユマニスム」の直接的な論文は含まれていないので、他の文献をあたりたい。