芝生をつくる物語

ものづくりは、物語づくり。自分のドメインで、芝生のようなウェブサイトをつくる話。WordPress、Tumblr、王国、城主、円卓の騎士、ジャズ、本棚、レモネード。

 

 

作家のオースティン・クレオンさんが、自分のドメインでブログを始めることを、芝生に例えている。

 

The beauty of owning your turf is that you can do whatever you want with it.
自分の芝生をもつ。やりたいことを何でもできるのが魅力。

It feels good to reclaim my turf. It feels good to have a spot to think out loud in public where people aren’t spitting and shitting all over the place.
土地を開拓して芝にするのは気分がいい。人目を気にせずに、独り言を言える場所があるって気持ちいい。そこには、いたるところで唾を吐いたり、汚したりするような人がいないんだ。

 

私もこの春、自分のドメインを手に入れて、芝生を育て始めた。

システムは、 “CODE IS POETRY”(コードは詩)と言っている WordPress にした。はてなの「書き残そう、あなたの人生の物語」よりも好き。名前の由来もいい。バージョンのコードネームをジャズミュージシャンにちなんでいるのも、BGMが流れているよう。Ameba は電車の中、note はシェアハウスにいるみたいでやめた。

WordPress のテーマ(デザインテンプレート)は、セルビアの大手テーマプロバイダ、Themes Kingdom から輸入した。 “Themes Kingdom is a small group of dedicated Knights working hard around the table and the clock to make awesome WordPress themes”、すばらしいテーマをつくるために、献身的な騎士たちがテーブルを囲んで休みなく働いてくれている。創業者はメンバーを “Knights of the Round Table”(円卓の騎士:アーサー王物語に登場する騎士たち)、顧客を “Lords and Ladies of the Castle”(城主の紳士淑女のみなさま)と呼ぶ。トラブルの対応時、「騎士が対応中」との知らせが出る。運用にはマニュアルがあるものの、英語だし専門外だしで暗号みたいだった。淑女の名に恥じぬようがんばった。

表札は、フリー素材とフリーソフトでつくった。有志の人々のチュートリアルが心強い。うっかり自分がグラフィックデザイナーに思えた。とはいえ曲線は描けず、直線を駆使した。背伸びはしない。

一角に本棚を置くことにした。アップデートや翻訳の文章がおもしろい Tumblr を使う。Otlet’s Shelf という本棚用のテーマは、Amazon.com との兼用がすばらしく、ボタン一つで Amazon から本の情報と画像を引っ張ってきてくれる。残念ながら Amazon.co.jp には対応していない。すでに開発も終了している。.com のように .co.jp でも使いたかったので、時間をかけて試行錯誤した。1箇所変更して、結果を見て、もとに戻してまた別の場所を変更して、を繰り返し、ようやく何をすべきか解明した。うっかり自分がエンジニアに思えた。

ユーモラスな人たちの手を借りて、私も自分の芝生をつくる。寝転んだり、本を読んだり、手入れをしたりしていると、たまたま通りかかった人に会う。芝生がいい感じ、と定期的に訪れてくれる人もいる。まず自分のための芝生で、好きなことをやりたくて、評価云々もそっちのけなのだが、芝生を介して人と接点を持てることがあるのは嬉しい。ものづくりは、物語づくりだ。

それにしても今日も暑いですね。あ、よかったら一緒にレモネードいかがですか。日陰のほうへどうぞ。

 

 

<参考>

Austin Kleon 氏の著書、 SHOW YOUR WORK(P. 69)
https://austinkleon.com/show-your-work/

A few notes on daily blogging
https://austinkleon.com/2017/11/20/a-few-notes-on-daily-blogging/

WordPress の名前の由来
Besides the technical terminology of WordPress, it is also interesting to know the history of the name, WordPress. The name “WordPress” was originally coined by Christine Tremoulet (see related post) in response to developer Matthew Mullenweg’s desire to associate his new software project with printing presses. In this sense, press refers to the world of reporters, journalists, columnists, and photographers. An aptly chosen name, because WordPress serves as the printing press that enables its users to publish their words.
https://codex.wordpress.org/WordPress_Semantics

WordPress のバージョンとコードネーム
https://ja.wikipedia.org/wiki/WordPress

Themes Kingdomの創業者、Sinisa Komlenic 氏のプロフィール
https://rs.linkedin.com/in/sinisakomlenic